解説

19 泡質を様々な角度で検証してみたら分かったこと

使い続けるほど、肌や髪の悩みに寄り添うように設計されたRe:>>> Basic Lineシャンプー&トリートメント。2022年7月のリニューアルでは、ケアの効果だけではなくサロンワークやご自宅でも使い勝手が良くなるようにシャンプー処方をアレンジしています。今回は時間をかけてこだわった「泡質」についてみていきます。

  1. シャンプーの泡質
  2. 検証①:泡の観察
  3. 検証②:汚れを吸い上げる力の比較
  4. 検証③:泡のコシを比較
  5. 検証④:泡の起泡性を確認
  6. 使用感はそのままに、使い勝手を上げる

シャンプーの泡質

何事にも「欠かすことができない存在」がありますね。秋刀魚に添える大根おろしや、現代社会とスマートフォンもその一例でしょうか。
同じようにシャンプーにとって欠かすことができない要素が、洗浄力。そして洗浄力の要が「泡質」です。今回リニューアル発売した5種類のRe:>>> Basic Lineシャンプーは、サルフェート系洗浄成分フリー。刺激の少ないボタニカル由来の洗浄成分を厳選することで、バランスの取れた洗浄力と独特の泡質を生み出しています。自然由来の濃密でナチュラルな泡が、地肌と髪をやさしく洗い上げます。

Re:>>>Basic Line実際のシャンプーの泡。

実はこのRe:>>>Basic Lineのシャンプーの泡質、使用感に磨きをかけるためにホームユースとサロンユースの両方を想定して試作とユーザーテストを繰り返してきました。今回のリニューアルでは一見、大きな変更はないように見えますが、開発とユーザーテストには相当な時間がかけられています。
環境配慮の観点で原料を置き換えたり、新たなケア効果を狙って美容成分を加えたりすることで、簡単に泡質や使用感は変わります。特に、スキンケアからスタートし、手肌へのやさしさを大切にしている私たちは「洗うもの」へのこだわりは強く、関わる社員の目(手)も大変厳しいものでした。理論上の設計だけではなく、プロと一般ユーザーの両方の声に何度も耳を傾けてブラッシュアップしています。

泡質を構成する主な要因には、実際の質感のほかに「起泡性(速度/量)」「泡の弾力」「泡の持ち(時間)」「泡のキメ」があげられます。例えば起泡性を上げようとして処方を調整すると泡の質感が変わる…といったように、これら全てを狙い通り設計するのはとても難しいものです。私たちはシャンプーだけで自社に9種商品を持ち、「泡」一つ試してもブランド間で使い分けができるよう、シビアに設計をしています。とりわけ、Re:>>>ブランドの中でもClass S LineとBasic Lineのシャンプーでは泡質の違いも重要な特徴の一つ。理論だけではなく実際の感触・使用感を最も重視し、ユーザーテストを繰り返すことでようやく処方を完成させました。その成果は、開発後の検証作業として実験室で試験を行い、確認しています。それでは、その一部を見ていきましょう。

検証①:泡の観察
従来品よりもキメの細かい泡に

5%水溶液に希釈したリ:シャンプーを泡立て、泡(0.07g)をスライドガラスに載せ、光学顕微鏡を用いて倍率100でそれぞれ撮影を行いました。

まずは顕微鏡でシャンプーの泡質を確認しました。肉眼では同じ白い泡でも、顕微鏡で観察するとその違いは明らかです。リニューアル処方(新製品)は従来処方よりも泡の大きさは小さく「キメの細かい泡」となっていました。それでは、「キメの細かい泡」だと何が良いのでしょうか。

検証②:汚れを吸い上げる力の比較
キメの細かい泡は汚れを吸い上げる力が大きい

泡の吸い上げ試験の様子を記録したGIF動画です。
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5%水溶液に希釈したリ:シャンプーを泡立てます。スライドガラスとカバーガラスの間の隙間にそれぞれの泡(0.05g)を挟み、汚れを模した赤い液体を滴下し泡が汚れを吸い上げる様子をそれぞれ光学顕微鏡にて倍率20で撮影を行いました。

実は泡のキメが細かくなると、汚れを吸い上げる力が高まります。泡の観察後、汚れを模した赤い液体を泡に滴下し、汚れを吸い上げる力を確認しました。従来品のシャンプーとリニューアル品(新製品)とで比較をしたところ、リニューアル品は、滴下してまもなく広範囲に赤い液体が拡散することが分かります。同じ洗浄力であっても、泡が細かくなることで、より早く汚れを吸い上げることができるのです。

実際の観察の様子を動画で撮影したもの。動画は滴下するタイミングを合わせて並べています。それぞれのシャンプー泡に対し、画面右下に赤い液体を滴下しました。滴下後、赤い液体が広がるスピードに差があることが分かります。

検証③:泡のコシを比較
泡にコシがあり、へたりにくく

25%水溶液に希釈した各洗浄剤を泡立て、10mLビーカーに余白ができないように充填します。毎度開始前に泡重量に大差がないことを確認の上、1円玉2枚を手で静かに乗せて、底面に到達し泡に動きがなくなるまでの時間を計測しました。各洗浄剤ごとに2度計測を行い、平均値にて差を確認しました。

今度は20mLのビーカーに泡立てたシャンプーを入れ、1円玉2枚が沈むまでの時間を測定しました。1円玉が沈むスピードが速いことは、泡に弾力やその持ちが弱い=泡にコシがないことを示し、逆に時間が長いことは、泡にコシがあることを示します。各商品とも従来処方と比較したところ、どの商品でもリニューアル品(新製品)の方が1円玉が沈むまでの時間が長いことが確認されました。泡にコシがあり、へたりにくくなったことが分かります。

実験の様子を左右とも早送り(タイムラプス)で撮影したもの。動画は一例ですが、試験では各洗浄剤とも2度実施し、かかった時間の平均でグラフを作成しています。また、実際の試験では従来品の他、自社他ブランドと比較を行い、Class S Lineなどとも差があることも確認しました。シャンプーの泡一つで、ブランドの違いをご実感いただけるのはこのような性質にも現れています。

検証④:泡の起泡性を確認
これまでと変わらない泡立ちと泡量

このほかに、泡の起泡性についても確認をしています。同じ濃度でシャンプーを溶かした水溶液を用意し、回転数や時間などを同条件に揃え、ビーカー内での泡立つ量と速度を比較・確認しました。泡のキメが細かくなると全体として泡の量が減ってしまうようにも思いますが、実際は従来品に比べ泡のキメは細かくなっているものの、泡の量や泡立つまでの時間に差はないことが分かります。

1%水溶液に希釈した各洗浄剤を自動撹拌機14000回転で30秒回し、泡立つまでのスピードと泡の嵩高の変化を確認しました。泡立つまでの時間と嵩高ともに差がないことが分かります。

使用感はそのままに、使い勝手を上げる

このように、シャンプーの泡質の検証では、いずれもユーザーテストでの結果を裏付ける結果が得られました。実験室における検証でも、その性能と進化を確認することができたと考えています。
長くご愛用いただく商品だからこそ、使い続けることで違いが出るようなヘアケアを届けたい。シャンプーの泡にも、その想いがあらわれています。

シャンプー泡質のポイント

1_泡はさらにキメが細かくなりました
 界面活性剤の洗浄力はそのままに、キメの細かい泡が汚れを吸い上げます

2_泡にコシが出て、さらにへたりにくく
 シャンプーブラシを用いたセルフマッサージなどのシーンなどでも使いやすく


やさしさはそのままに、絶妙なバランスで設計された新しいRe:>>>Basic Lineの5種類のシャンプーの泡。ぜひご自身の手でご体感ください。

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