入学式や入社式など、出会いの季節「春」はどの世代にとっても忙しいものです。サロンでは、ヘアカラーやパーマなどのニーズが増える時期でもあります。実はそのようなケミカル剤を使用するサロンメニューと、頭皮の皮膚常在菌の集合体である“地肌フローラ”は、密接な関わりがあります。
*1 黄色ブドウ球菌 *2 表皮ブドウ球菌
地肌フローラが乱れがちな3大要因
界面活性剤
アルカリ処理
乾燥
1. 界面活性剤による地肌フローラの乱れ
シャンプーやトリートメントに配合されている界面活性剤。活性剤は悪い菌だけではなく、善い菌まで洗い流してしまうため、「洗いすぎ」「流し残し」は地肌フローラの乱れにつながります。
// Point //
お客様の地肌だけではなく、美容師の手にも影響が…。
ヘアケアは手肌へのやさしさも大切!
2. アルカリ処理による悪玉菌*の増加
カラーやパーマ処理後は髪のpH 値が高く弱アルカリ性となります。悪玉菌* は弱アルカリ性の環境を好み、肌や髪がアルカリ性に傾くと増殖してしまいます。
*黄色ブドウ球菌
// Point //
カラーやパーマ処理後は、肌や髪が傷みにくい
pH値へと調整することが大事です!
3. 乾燥による善玉菌*の減少
肌の乾燥と表皮ブドウ球菌の量は密接に関わっています。うるおいとバリア機能をつかさどる善玉菌*は、湿潤環境を好む傾向があり、肌の乾燥が進むと量の割合が低下してしまいます。
*表皮ブドウ球菌
// Point //
地肌のうるおいケアで、
善玉菌(表皮ブドウ球菌)を育みやすい環境に!
シャンプー&トリートメントによっては
地肌フローラのバランスを整える効果がある
頭皮皮脂量の多いとされる3名女性被験者(20代1名、30代1名、40代1名)に対して実験を行いました。まず、ケア成分を含まない比較用のシャンプー・トリートメントを数日連続使用し、その後ケア成分を含む試験用シャンプー・トリートメントを数日連続使用して、前後の細菌および真菌の比率を調べました。すると、試験用のシャンプー・トリートメントの使用後は地肌フローラの多様性が高まり、善玉菌が増え、悪玉菌が減る傾向が確認されました。このような結果から、普段使うシャンプー・トリートメント次第で、頭皮環境が良くも悪くも変化することが分かります。
ケミカル施術などの要因で乱れがちな頭皮フローラ。毎日のシャンプー・トリートメントを見直して、頭皮フローラのバランスを整えていきましょう。